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居住福祉

先日「木守舎」に3人のお客様が来られました。
認知症家族会の吉野さんご夫妻と、神戸大学名誉教授で日本居住福祉学会会長の早川和男先生です。
早川先生は日本全国のみならずアジアを精力的に飛び回って、居住福祉学の研究をしておられ、鳥取とも深い御縁を持っておられます。
このたびは県内各所の地域福祉資源を視察されるとのことで、その一環として「木守舎」にもお越しいただけました。このあと「野の花診療所」にもそのまま歩いていかれ、見学をされました。
「居住福祉」という言葉はまだまだ一般的にはなかなか浸透していないのかもしれませんが、福祉と住まいとの境界がこれからもっと議論される時代が必ずやってくると思いますので、私ももっと勉強したいと思っています。


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by ikunosange | 2009-06-29 17:39 | 木守舎

施設志向

これはあくまで私感なんですが、ここ最近の不景気が在宅介護にもいよいよ影を落としてきているように感じます。
この1年くらい、介護者が生活のために仕事に出て、在宅介護をあきらめるケースが増えてきているように思います。
これは私たち在宅サービス事業者にとっては由々しき事態なのです。ご家族が在宅介護を続けたいと思っていても、不景気のせいで続けられないなんて・・・。
今までは老親が元気でいたので感じなかった介護負担が、ご家族が少しでも仕事に出ないといけなくなったときに、なにかをきっかけに介護に直面する。それが「施設に・・・」となってしまうのではないか。
また、これまで使っていたサービスが、介護者が職を失ったために利用できなくなった、という話も聞くようになりました。

そういう現実を受け止めるかのように、この鳥取でも入所施設(有料老人ホームなど)が特に最近増えてきています。「木守舎」だってそうじゃないか、といわれたらそうかもしれませんが。
在宅サービスを展開している事業者が、これからこぞって「入所」を自前で持とうとするのは時代の流れ。
しかしその先に見えるのは結局、不毛な値段競争なのではないか。

そんなことになったら、はたして介護保険の根本的な意義が問われるようなことになってしまうのではないでしょうか。事業者が自分たちの生き残りのためにしたことが、制度を破壊してしまうかもしれないのです。

本来あるべき理念はなにか。見失うことのないようにしながらも葛藤は続いています。
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by ikunosange | 2009-06-26 14:02 | 日々思うこと

「帰ります」

今日は暑かったですね~。日差しが照りつけて湿度も高くて、つらい季節がやってきました。
久々に、「帰ります」と言って落ち着かない利用者さんが玄関から出て、近所を歩かれるのにちょっとだけお付き合いさせていただきました。
普段は穏やかな人が、なぜか急に落ち着かなくなって、「帰ります」と言って出て行ってしまう。世間的に言えば「徘徊」と呼ぶのだと思いますが、普段関わっている人の行動をそういう言葉で括ることには、なんだか抵抗を感じるものです。
原因はなんでしょうか。なにか心理的なこと?排泄?水分?そういう時期?
いろいろ考えてみても、はっきりと答えが出ないことがほとんど。「なんだかわからないうちに気づいたら収まっていた」ということが多いのです。介護職として情けないことですが。
そういえば生活とリハビリ研究所の三好春樹さんも、「原因なんて4割わかれば大したもの」と言っておられました(たしか・・・です。間違っていたらごめんなさい)。

私のつたない経験や知識では徘徊の原因を探ることは困難ですが、徘徊をされる方にお付き合いすること自体だって、それはそれでとても大事なことだと思います。というわけで下記のサイトをご覧ください。内田樹先生と、精神科医の春日武彦先生の対談です。必読です。

http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n2613dir/n2613_01.htm
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by ikunosange | 2009-06-25 18:43 | 日々思うこと

担当者会議

木守舎に入居しておられる方のサービス担当者会議を開催しました。
肺炎を起こしてしばらく入院され、退院されたものの体力がなかなか回復しない状態が続いてまして、ご家族を交えた担当者会議の開催です。
会場は先日画像アップした相談室。緊迫した話し合いにもかかわらず、「そうそう、こういう話し合いをする場の雰囲気づくりをこの部屋は目指してたんだよね~」などと不謹慎なことを私は考えていました。

話し合いはうまくご家族の思いを引き出すことができて、とてもよい会だったと思います。
正直言うと、医療と介護の役割の違いについて自信を失いかけていたところだったので、ご家族から「少しでも口から食べられるようにがんばって本人を回復させたい」という強い意志をはっきりと打ち出していただいたおかげで、私たちも「そうだそうだ!介護の私らはこれを支援するのが仕事なんだよなあ!」とあらためて元気をもらったのでした!
やっぱり木守舎、やってよかったです・・・!!!
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by ikunosange | 2009-06-23 19:42 | 木守舎

クレンペラー翁

1950年代~70年頃にかけてロンドンを中心に活躍し、円熟した演奏を聴かせた名指揮者、オットー・クレンペラーをご存知でしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%83%BC

この指揮者の演奏は、クラシックをかなり聴きこんだいわゆる玄人好みの演奏でして、慣れない人が聴くと「なんでこんなに無造作なんだ?」と不思議に思うのではないかと思います。とにかくぶっきらぼうな演奏ぶりに、甘い演奏を聴き慣れた人にはなかなか良さが伝わりにくい演奏家です。

耳に心地よい甘い演奏というのは、たとえば雄弁で聴きどころ(ツボですね)をわかりやすく強調して、きれいなところはより美しくゴージャスにしたてた演奏のことです。
クレンペラー翁の演奏はまったくこの逆でして、曲を演奏するという行為から作為的な演出を排除し、ついでに曲にまとわりついたイメージをゴミ箱にポイしてしまった、といえばわかりやすいかと思います(わからん)。

たとえばこんな感じ。
クレンペラー翁は今日も孫から絵本を読んでくれとせがまれました。いつも難しい顔できつーい皮肉を言う翁といえども孫を無視するわけにはいきません。孫の手渡した絵本を一瞥した翁は、おもむろに絵本を読み始めました。
ところが読み始めてすぐに孫は後悔しました。翁の読み方が大真面目でしわがれ声なので、楽しいはずの絵本の内容がすっかり「マタイ受難曲」みたいになってしまったのです。
そんな孫の落胆に気づくこともなく翁は、ときおり変な間をあけつつ、クライマックスの盛り上げをあっさり無視して絵本を読み終わりました。翁は孫にむかってこう言いました。
「うむむ、くだらん実にくだらん絵本だ。だが、こことここは読むべき部分がなくはない」
こんな大真面目に読んでくれと頼んだ覚えはない孫は、あいまいにうなづきつつ、もうひとつ頼もうと思っていた絵本を戸棚に返したのでした。

ところで現代にはクレンペラーのような恐い翁は世の中からすっかりいなくなってしまいましたね。同時に高齢者に対する畏敬の気持も忘れてしまったように思います。
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by ikunosange | 2009-06-22 12:48 | 日々思うこと

スタッフ同士をつなぐ

業務を毎日続けていると、いろんな課題にぶつかるものですが、最近特に感じているのがスタッフ間のコミュニケーションの問題。

いや別に特に仲が悪いとか、そういうことではないんです。みんなマジメだし心やさしい人が多い職場です。

でもね、ときどき感じるんだけど、スタッフ同士の伝達がよくないというか、なんというか。
たとえばお互いの仕事の領分には侵害しない、見ないのが礼儀、という感じがちょっとあって、「えー、こんなの直接訊けばいいのにー」とか、「言ってあげればいいがー」という場面が多いのです最近。

鳥取の人の特徴かもしれないけど、「ちょっと俺(私)にもよくわかるように教えてよ!」とか、「こんな雰囲気になってるんだけど、このまま行っちゃうとああなるけど本当にそれでいいのー?」とかを自分から口火を切って問題定義する人って少ないですよね。

私は以前、まったく別の事業所で働いていたとき、施設でおこなう行事の係をしていました。自分で言うのもなんですが結構がんばってました。自分の仕事があてにならないことはよくわかっていたので、いろんな人にいろいろとその都度お願いをして行事を乗り切っていました。ところがあるとき洗濯室の前を通りかかったとき、ある先輩が、「あいつはなんべんも確認に来てうるさい。そこまでせんでもよくわかっとるのに」と話をしているのを聴いてしまいました。
あの先輩はなんでも言うキャラなので仕方ないかとその時は思ったのですが、なんだか釈然としない。しつこいと言われても確認しないといけないことだってあるだろうと。

たとえばこういうのって、「知ってたけど言わなくてもいいのかなと思って」事故を招いたり、「本人が気づいてるだろうから特にいわなくてもいいかなと思って」苦情をいただいたり、ということにつながるんじゃないのかなあ。(ちょっと極端?)

第一、他人からみたら、「なんだか連携がよくないなあ」というのを思われてしまうと、「こんなところに頼んでも仕方ないか」となってしまうことだってあるんじゃないでしょうか。

コミュニケーションを活発にしていくことはたぶん、難しいことではないんだと思うんです。神戸女学院大学の内田樹先生の↓ブログに書いてありましたが、「私の仕事」はその境界線を「ここまで」と限定してはならない。ということだと思います。
http://blog.tatsuru.com/2009/06/18_1134.php



ところでこんなことこのブログに書いていいのかな?
サイトを移転して、ついでに試行錯誤の最中です。
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by ikunosange | 2009-06-19 19:10 | 日々思うこと

新生いくのさん家ブログ

「いくのさん家」ブログを移転しました。
これからはこの exite さんにお世話になります。
理由は特にはありません。気分転換です。

旧ブログ http://blog.tori-log.net/ikunosange/


ところで前のブログでアップを約束していた写真を貼ります。
これは木守舎の玄関を入ってすぐの相談室の壁なのですが、6/7におこなわれた木守舎セミナーで
講演された方々の寄せ書きなのです。

右から谷川俊太郎さん、村瀬孝生さん、三好春樹さん。下のお顔は下村恵美子さんです。

それぞれ含蓄のあるお言葉ですねー。

実物はもっと迫力ありますよ!よかったら見にきてください!
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by ikunosange | 2009-06-18 18:40 | 木守舎